"文藝復興巨匠"型:
詩人で、朝日新聞の詩歌コラム「折々のうた」で知られる大岡信さんが亡くなりました。音楽や演劇、美術など文学に限らぬ多彩な評論活動。ご冥福をお祈りします。
Born: February 16, 1931 (age 86 years), Mishima, Shizuoka Prefecture, Japan
- 1959年 A Concise history of modern painting. Revised ed., 1968. New ed., 1974. 大岡信訳『近代絵画史』紀伊國屋書店, 1962年
著書[編集]
詩集・連詩[編集]
- 記憶と現在 ユリイカ 1956
- 大岡信詩集 ユリイカ 1960(今日の詩人双書)
- わが詩と真実 思潮社 1962
- 大岡信詩集 思潮社 1968
- 大岡信詩集 思潮社 1969(現代詩文庫)
- 彼女の薫る肉体 湯川書房 1971
- 砂の嘴・まわる液体 青地社 1972
- 大岡信詩集 五月書房 1975
- 遊星の寝返りの下で 書肆山田 1975
- 悲歌と祝祷 青土社 1976
- 透視図法―夏のための 書肆山田 1977
- 春 少女に 書肆山田 1978
- 歌仙(石川淳・安東次男・丸谷才一)青土社 1981
- 水府 みえないまち 思潮社 1981
- 連詩 揺れる鏡の夜明け(トマス・フィッツシモンズ共著)筑摩書房 1982
- 草府にて 詩集 思潮社 1984
- 詩とはなにか 詩集 青土社 1985
- ヴァンゼー連詩 岩波書店 1987
- ぬばたまの夜、天の掃除器せまつてくる 岩波書店 1987
- 浅酌歌仙 石川淳、丸谷才一、杉本秀太郎共著 集英社 1988
- 故郷の水へのメッセージ 花神社 1989
- ファザーネン通りの縄ばしご―ベルリン連詩(谷川俊太郎、H.C.アルトマン、O.パスティオール共著)岩波書店 1989
- 朝の頌歌 詩集 銀の鈴社 1989(ジュニア・ポエム双書)
- とくとく歌仙 丸谷才一、高橋治、井上ひさし共著 文藝春秋 1991
- 地上楽園の午後 花神社 1992
- 火の遺言 花神社 1994
- 続 大岡信詩集 思潮社 1995(現代詩文庫)
- 光のとりで 花神社 1997
- 続続 大岡信詩集 思潮社 1998(現代詩文庫)
- 捧げるうた50篇 詩集 花神社 1999
- 世紀の変り目にしやがみこんで 思潮社 2001
- 旅みやげにしひがし 集英社 2002
- 大岡信全詩集 思潮社 2002
- 闇にひそむ光 連詩 岩波書店 2004
- 大岡信詩集 岩波書店 2004
- きみはにんげんだから 詩集 大岡亜紀画 理論社 2004
- すばる歌仙 丸谷才一、岡野弘彦共著 集英社 2005
- 鯨の会話体 詩集 花神社 2008
アンソロジー[編集]
- 折々のうた 1-10 岩波新書、1980-92
- 新折々のうた 1-9 岩波新書、1994-2007
- 新編・折々のうた 朝日新聞社、1983-94 のち文庫
- ことばよ花咲け 愛の詩集 集英社文庫 1984
- うたの歳時記 学習研究社 1985-86
- 四季歌ごよみ 恋・春夏秋冬 学習研究社 1985-86 のち角川文庫
- 集成・昭和の詩 小学館 1995
- 現代詩の鑑賞101 新書館 1996
- 百人百句 講談社 2001
- 折々のうた三六五日 日本短詩型詞華集 岩波書店 2002
- 星の林に月の船 声で楽しむ和歌・俳句 岩波少年文庫 2005
評論・詩論・評伝等[編集]
- 現代詩試論 ユリイカ 1955
- 詩人の設計図 詩論集 ユリイカ 1958
- 芸術マイナス1 戦後芸術論 弘文堂 1960
- 抒情の批判 日本的美意識の構造試論 晶文社 1961
- 芸術と伝統 晶文社 1963
- 眼・ことば・ヨーロッパ 明日の芸術 美術出版社 1965
- 超現実と抒情 昭和十年代の詩精神 晶文社 1965
- 文明のなかの詩と芸術 思潮社 1966
- 現代芸術の言葉 晶文社 1967
- 現代詩人論 角川選書 1969 のち講談社文芸文庫
- 蕩児の家系 日本現代詩の歩み 思潮社 1969
- 肉眼の思想 現代芸術の意味 中央公論社 1969 のち中公文庫
- 言葉の出現 晶文社 1971
- 紀貫之(日本詩人選) 筑摩書房 1971 のちちくま文庫
- たちばなの夢 私の古典詩選 新潮社 1972 「私の古典詩選」岩波同時代ライブラリー
- 彩耳記 文学的断章 青土社 1972
- 現代美術に生きる伝統 新潮社 1972
- 狩月記 文学的断章 青土社 1973
- 装飾と非装飾 晶文社 1973
- 今日も旅ゆく・若山牧水紀行 平凡社 1974「若山牧水」中公文庫
- 日本の古典 別巻1・グラフィック版 百人一首 世界文化社 1975 のち講談社文庫
- 星客集 文学的断章 青土社 1975
- 本が書架を歩みでるとき 花神社 1975
- 青き麦萌ゆ 毎日新聞社 1975(現代の視界 2) のち中公文庫
- 風の花嫁たち 古今女性群像 草月出版 1975 のち現代教養文庫
- 岡倉天心 朝日新聞社 1975(朝日評伝選)
- 子規・虚子 花神社 1976
- 年魚集 文学的断章 青土社 1976
- 詩への架橋 岩波新書 1977
- 現代文学・地平と内景 朝日新聞社 1977
- 超現実と抒情 昭和十年代の詩精神 晶文社 1977
- 昭和詩史 思潮社 1977
- 明治・大正・昭和の詩人たち 新潮社 1977
- 大岡信著作集 全12巻 青土社 1977-78
- ことばの力 花神社 1978
- うたげと孤心 大和歌篇 集英社 1978 のち岩波同時代ライブラリー
- 片雲の風 私の東西紀行 講談社 1978
- 逢花抄 文学的断章 青土社 1978
- 日本詩歌紀行 新潮社 1978
- 四季の歌恋の歌 古今集を読む 筑摩書房 1979 のち同文庫
- アメリカ草枕 岩波書店 1979
- 詩歌折々の話 講談社 1980
- 宇滴集 文学的断章 青土社 1980
- 詩とことば 花神社 1980
- 小倉百人一首 世界文化社 1980
- 日本語の世界 11 詩の日本語 中央公論社 1980 のち同文庫
- 百人一首
- 《折々のうた》の世界 講談社、1981
- 現代の詩人たち 青土社 1981
- 萩原朔太郎 (近代日本詩人選)筑摩書房 1981 のち同学芸文庫
- 現世に謳う夢 日本と西洋の画家たち 中央公論社 1981 のち同文庫
- 詩の思想 花神社 1982
- 人麻呂の灰 折々雑記 花神社 1982
- 加納光於論 風の薔薇 1982
- 日本詩歌読本 三修社 1982 のち講談社学術文庫
- 詩歌の読み方 思潮社 1983
- 短歌・俳句の発見 読売新聞社 1983
- 表現における近代 文学・芸術論集 岩波書店 1983
- マドンナの巨眼 青土社 1983
- 古典のこころ ゆまにて 1983
- 日本語の豊かな使い手になるために 読む、書く、話す、聞く 太郎次郎社 1984 のち講談社+α文庫
- 水都紀行 スウェーデン・デンマークとの出会い 筑摩書房 1984
- ミクロコスモス 滝口修造 みすず書房 1984
- 抽象絵画への招待 岩波新書 1985
- 詩・ことば・人間 講談社学術文庫 1985
- 万葉集(古典を読む) 岩波書店 1985 のち同時代ライブラリー、現代文庫
- 詩歌ことはじめ 講談社学術文庫 1985
- 楸邨・竜太 花神社 1985
- 〈折々のうた〉を語る 講談社 1986
- うたのある風景 日本経済新聞社 1986
- ヨーロッパで連詩を巻く 岩波書店 1987
- 窪田空穂論 岩波書店 1987
- 人生の黄金時間 日本経済新聞社 1988 のち角川文庫
- 詩人・菅原道真 うつしの美学 岩波書店 1989 のち現代文庫
- 永訣かくのごとくに候 弘文堂 1990
- 連詩の愉しみ 岩波新書 1991
- 詩をよむ鍵 講談社 1992
- 光のくだもの 小学館 1992
- 「忙即閑」を生きる 日本経済新聞社 1992 のち角川文庫
- 美をひらく扉 講談社 1992
- 私の万葉集 1-5 講談社現代新書 1993-98
- 人生の果樹園にて 小学館 1993
- 1900年前夜後朝譚 近代文芸の豊かさの秘密 岩波書店 1994
- あなたに語る日本文学史 2巻 新書館 1995
- 正岡子規 五つの入口 岩波セミナーブックス 1995
- 大岡信の日本語相談 朝日文芸文庫 1995
- 日本の詩歌 その骨組みと素肌 講談社 1995 のち岩波現代文庫
- ことのは草 世界文化社 1996
- しのび草 わが師わが友 世界文化社 1996
- ぐびじん草 世界文化社 1996
- みち草 世界文化社 1997
- ことばが映す人生 小学館 1997
- しおり草 世界文化社 1998
- 拝啓漱石先生 世界文化社 1999
- 日本の古典詩歌 全5巻 岩波書店 1999-2000
- 北米万葉集 日系人たちの望郷の歌 集英社新書 1999
- おもひ草 世界文化社 2000
- いのちのうた NHKサービスセンター 2000
- 日本語つむぎ 世界文化社 2002
- 瑞穂の国うた 世界文化社 2004 のち新潮文庫「瑞穂の国うた―句歌で味わう十二か月―」
- 生の昂揚としての美術 花神社 2006
- 人類最古の文明の詩 朝日出版社 2008
- ひとの最後の言葉 ちくま文庫 2009
共編著・対談・鼎談・往復書簡集[編集]
()内に人物のみが入っている場合は、対談・鼎談相手を示す。
- 現代詩評釈 吉田精一、分銅惇作共編 学灯社 1968
- 現代詩論 7 天沢退二郎共著 晶文社 1972
- 詩の誕生(谷川俊太郎)対話 読売新聞社 1975
- 討議近代詩史(鮎川信夫・吉本隆明)思潮社 1976
- 古寺巡礼京都 東福寺 福島俊翁共著 淡交社 1977
- 批評の生理(谷川俊太郎)思潮社 1978
- 論文演習 古関吉雄共編 桜楓社 1979
- 芭蕉の時代(尾形仂) 朝日新聞社 1981
- 詩歌歴遊(対談集)文藝春秋 1981
- 詩と世界の間で(谷川俊太郎往復書簡集)思潮社 1984
- 海とせせらぎ 日本の詩歌(対談集)岩波書店 1985
- 現代詩入門(谷川俊太郎)中央公論社 1985 のち文庫
- 俳句の世界(川崎展宏)富士見書房 1988
- 日本人を元気にするホンモノの日本語(金田一秀穂)ベスト新書 2006
- 歌仙の愉しみ 岡野弘彦、丸谷才一共著 岩波新書 2008
翻訳[編集]
- 長い歩み 中国の発見 シモーヌ・ド・ボーヴォワール 内山敏共訳 紀伊国屋書店 1959
- 抽象芸術 マクセル・ブリヨン 滝口修造、東野芳明共訳 紀伊国屋書店 1959
- 近代絵画史 ハーバート・リード 紀伊国屋書店 1962
- ピカソのピカソ ディヴィッド・ダグラス・ダンカン 美術出版社 1962
- ガラのダリ ロベール・デシャルヌ 美術出版社 1963
- 昆虫記 アンリ・ファーブル 少年少女世界の文学 河出書房 1967 のち岩波少年文庫
- 語るピカソ ブラッサイ 飯島耕一共訳 みすず書房 1968
- ミロの版画 デッサン 銅版画 石版画 木版画 書籍 ポスター 河出書房新社 1974
- 道化のような芸術家の肖像 J.スタロバンスキー 新潮社 1975
- プレヴェール詩集 やさしい鳥 偕成社 1977(詩の絵本)
- みつけたぞぼくのにじ ドン・フリーマン 岩波書店 1977
- まっくろけのまよなかネコよおはいり J.ワグナー 岩波書店 1978
- 鬼と姫君物語 お伽草子 平凡社 1979 のち岩波少年文庫「お伽草子」
- アラネア あるクモのぼうけん J.ワグナー 岩波書店 1979
- おふろばをそらいろにぬりたいな ルース・クラウス 岩波書店 1979
- 木の国の旅 ル・クレジオ 文化出版局 1981(フランスの傑作絵本)
- 宝石の声なる人に プリヤンバダ・デーヴィーと岡倉覚三・愛の手紙 大岡玲共訳 平凡社 1982 のち平凡社ライブラリー
- 日本合わせ鏡の贈り物 トマス・フィッツシモンズ 大岡玲共訳 岩波書店 1986
- ジョン・アッシュベリー詩集 飯野友幸共訳 思潮社 1993
- 万葉集(少年少女古典文学館) 講談社 1993
- サンタクロースの辞典 グレゴアール・ソロタレフ 朝日新聞社 1995
戯曲、歌劇[編集]
- あだしの 小沢書店 1972
- トロイアの女(大岡信潤色、「早稲田小劇場」(現「SCOT」)により初演、1974)
- 水炎伝説 (石井眞木作曲、実相寺昭雄演出、1990)
- オペラ 火の遺言(一柳慧作曲、台本は朝日新聞社、1995)
- 生田川物語 能「求塚」にもとづく (一柳慧作曲、観世榮夫演出、2004)
映画[編集]
- あさき夢みし 1974 ATG(「とはずがたり」に基づくオリジナル脚本。クレジットは「作」と表記。監督は実相寺昭雄)
音楽[編集]
- 「環礁」(武満徹作曲、ソプラノとオーケストラ、1962)
- 「暗黒への招待」(大岡信構成、一柳慧作曲、1964)
- 「私は月には行かないだろう」(小室等作曲、1971)
- 「死と微笑」(座光寺公明作曲(Op.6)、バリトンとピアノ、1980)
- 合唱組曲「方舟」(木下牧子作曲、1980)
- 「炎のうた」(大岡信・ジュリエット・グレコ共訳詞、グレコ歌唱、1986)
- 合唱曲「夏のおもいに」(山岸徹作曲、1986)
- 「風姿行雲」(湯浅譲二作曲、日本の伝統楽器と声(アルトおよびテノール)、1988)
- 交響曲「ベルリン連詩」(一柳慧作曲、ソプラノとテノールとオーケストラ、1988)
- 伶楽交響曲第2番「日月屏風一雙 虚諧」(一柳慧作曲、1989)
- 「富士へ」(三善晃作曲、1990)
- 合唱曲「春のために」(山岸徹作曲、1992)
- 合唱曲「なぎさの地球」(木下牧子作曲、2002)
- 合唱曲「わたしは月にはいかないだろう」(木下牧子作曲、2005)
- 「オーロラのごとく 巻雲のごとく(大岡信「光る花」より)」(一噌幸弘作曲、2007)
- 混声合唱とピアノのための「箱舟時代」(鈴木輝昭作曲、2012)
ラジオドラマ(NHK放送詩劇・ラジオ芸術劇場)[編集]
- 宇宙船ユニヴェール号 1960年
- 新世界 1961年
- 運河 1962年
- 墓碑銘 1964年
- 夢の浮橋 1965年
- 写楽はどこへ行った 1966年
- 化野 1966年
- 麟太郎 1967年
- 金色の夢 1969年
- イグドラジルの樹 1971年
テレビドラマ[編集]
- 写楽はどこへ行った[3] (ラジオドラマ脚本をテレビ用に改作) 1968年